最近“肩甲骨はがし”がテレビやSNSで多く紹介されています。『でもそれって本当に効果あるの?』と感じた方も多いのではないでしょうか。
“肩甲骨はがし”を行うメリット、ヨガ的無理なくながす方法を、めぐりヨガ講師がやさしく答えます。
最近、大谷翔平くんの肩甲骨がとても柔らかいと話題になっていて、「肩甲骨をはがすと代謝が上がる」「可動域が広がって疲れにくくなる」といった言葉をよく目にします。
私も肩こりや背中の疲れがひどくて…どうにかしたくてストレッチ動画を見ながら試しているのですが、動きが合っているのかよくわからず、逆に首が痛くなってしまうこともあります。
“肩甲骨をはがす”って、そもそも本当に効果があるのでしょうか?
ヨガではどうやってケアしていくのか、教えていただけたら嬉しいです。
(36歳・女性/会社員)
ご相談ありがとうございます。めぐりヨガの木村藍です。
「肩甲骨をはがす」って、少しインパクトのある言葉ですよね。実際に骨が“はがれる”わけではないのですが、それだけ注目されているのは、現代人に肩まわりの不調が多い証拠かもしれません。
長時間のPC作業やスマホの使用で、肩甲骨は背中側にぴったりと貼りつくように動きが鈍くなってしまいます。
本来、肩甲骨は呼吸や腕の動きに合わせてなめらかに動く“浮き骨”です。それが硬くなると、血流が滞り、首・肩・背中・腕にまで不調が広がることも。
「肩甲骨をはがす」というのは、固まってしまったその動きを、ゆるめて解放していくこと。
無理に力を加えなくても、呼吸とともにじっくり動かしていくことで、筋肉と筋膜が緩み、自然と可動域が広がっていきます。
今日からできる!肩甲骨ヨガ
ヨガには、肩甲骨まわりの滞りをやさしくゆるめるポーズがいくつもあります。
特別な柔軟性や道具がなくても、日常に取り入れられる動きから始めてみましょう。
① やさしい「猫と牛のポーズ」
四つん這いになって、息を吸いながら背中を反らせ、吐きながら背中を丸めていきます。
肩甲骨の間がゆっくり動くのを感じながら、呼吸に合わせて5〜6往復。
背中のこわばりを和らげ、姿勢のリセットにもなります。
② 背中で握手「牛面のポーズ(軽減バージョン)」
片手を上から、反対の手を下から背中へ回して、無理のない範囲で近づけてみます。
届かなくてもOK。肩甲骨が引き寄せられる感覚を味わうことが大切です。
③ 呼吸とともに「肩回し」
椅子に座ったままでもOK。指先をそれぞれの肩に置く。大きく息を吸って、肩を耳に近づけるように両腕を上げ、吐きながら後ろにまわしてストンと落とします。
この動きを5回ほど繰り返すだけでも、背中の血流がぐんと良くなります。
無理に“はがす”のではなく、“ほどいて、自由にしてあげる”。
それが、ヨガ的な肩甲骨アプローチの考え方です。
しっかりほぐれると、肩や背中だけでなく、呼吸が深くなり、気持ちが前向きになるのを感じる方も多いです。
肩甲骨は「こころの羽根」と呼ばれることもあります。
疲れや緊張を背中にため込んでいたら、どうぞやさしく動かして、羽ばたける余白をつくってあげてくださいね。
関連講座:筋膜リリースヨガ指導者養成講座
次回は「体感的に涼しくなるヨガ的冷え活」についてお届けします。
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