「ヨガ」という言葉は、サンスクリット語の「ユジュ(yuj)」という語根に由来し、「結ぶ」「つなぐ」「ひとつにする」といった意味を持っています。
では、何と何をつなぐのか。
身体と心をつなぐ
私たちは忙しい毎日の中で、身体と心が離れてしまうことがあります。
身体は疲れているのに無理をして動き続けたり、心は不安を感じているのに「大丈夫」と自分に言い聞かせたり。本当の気持ちや身体からのサインに、気づかないまま過ごしてしまうことも少なくありません。
ポーズでは、呼吸を感じながら、ゆっくりと身体を動かします。
「今日は呼吸が浅いな」
「肩に力が入っているな」
「思っていた以上に疲れていたんだな」
そのように、今の自分を丁寧に見つめる時間を持つことで、離れていた身体と心が、少しずつつながっていきます。
ヨガは、自分を理想の状態に無理やり変えるためのものではありません。
今の自分がどのような状態にあるのかを知り、そのまま受け止めることから始まります。
呼吸と身体をつなぐ
呼吸は、心と身体を結ぶ架け橋のような存在です。
不安や緊張を感じているとき、呼吸は浅く速くなります。安心しているときには、呼吸は自然とゆっくり深くなります。
呼吸は無意識に行われていますが、私たちは意識的に整えることもできます。
ポーズを上手にとることよりも、呼吸を止めず、自分の内側を感じることのほうが大切です。
呼吸と身体の動きがひとつになったとき、意識は自然と「今、この瞬間」へ戻ってきます。
過去への後悔や未来への不安から少し離れ、今ここにいる自分を感じる。それもまた、ヨガがもたらしてくれる大切なつながりです。
自分と自分をつなぐ
私たちは、周囲の期待や社会の価値観に合わせながら生活しています。
「こうしなければならない」
「もっと頑張らなければならない」
「人からどう思われるだろう」
そのような思いが重なると、自分が本当は何を感じ、何を望んでいるのか分からなくなることがあります。
ヨガの時間は、誰かと比べる時間ではありません。
身体の柔らかさや、できるポーズの数を競うものでもありません。
自分の呼吸に耳を澄ませ、自分の身体を感じ、自分の心を見つめる時間です。
外側に向いていた意識を自分の内側へ戻すことで、見失いかけていた本来の自分と、もう一度つながることができます。
自分と周囲の世界をつなぐ
自分自身とのつながりが深まると、周囲との関係にも変化が生まれます。
自分の痛みや弱さを受け入れられるようになると、他者の痛みにも優しく寄り添えるようになります。
自分を大切にできるようになると、相手のことも尊重できるようになります。
そして、自分も自然や社会、周囲の人々とつながりながら生きている存在なのだと、少しずつ感じられるようになります。
ヨガが目指しているのは、自分だけが特別になることではありません。
自分と他者を隔てている境界を少しずつやわらげ、私たちは互いに支え合い、つながり合って生きていることを思い出す道でもあります。
ポーズができなくても、ヨガはできる(ヨガとは生き方である)
身体が硬くても、難しいポーズができなくても、ヨガをすることはできます。
椅子に座って呼吸を感じること。
自分の身体の声に耳を傾けること。
自分を責めずに、今日の状態を受け入れること。
目の前の人に思いやりを向けること。
これらもすべて、ヨガの実践です。
ヨガは、マットの上だけで行うものではありません。日々の暮らしの中で、自分自身とのつながりを取り戻し、人や自然とのつながりを大切にして生きることも、ヨガなのです。
ヨガは、本来の自分へ戻る時間
ヨガの本来の意味は、「結ぶ」「つなぐ」ということ。
・身体と心をつなぐ。
・呼吸と身体をつなぐ。
・自分と本来の自分をつなぐ。
そして、自分と人、自分と自然、自分と世界をつないでいく。
忙しさの中で何かを見失いそうになったとき、まずはゆっくりと呼吸をして、自分の内側に意識を向けてみてください。
ヨガは、何か新しいものを外から身につけるためだけのものではありません。
すでに自分の中にある静けさや優しさ、そして大切なつながりを思い出すための時間です。






















